誰にでも痛みが起こる可能性



 1.線維筋痛症と歯科治療(歯科治療の中にひそむ危険性)
     (患者さんへ、治療にあたる方へ)

1.線維筋痛症と歯科治療(歯科治療の中にひそむ危険性)

線維筋痛症と歯科治療の関係

もし歯が痛くなれば、多くの人がなにげなく近所の歯科医院を訪れて、とくべつの不安もなく、そこで虫歯などの治療をしてもらうと思います。生まれてから一度も歯科医院に行ったことがない、そういう人を捜すのが難しいくらい、歯科治療というのはポピュラーです。私もこれまで数限りないくらい、歯科医院にはお世話になり、そこで直した歯もたくさんあります。
でも、じつは、この歯科治療が、線維筋痛症や、ホームページでも紹介している「中枢感作」によって起こるさまざまな痛みとの関連がある可能性が指摘されています。


以下は、かなり専門的な内容になりますが、この線維筋痛症を発症させたり、あるいはすでに発症している人が、症状をさらに悪化させかねない可能性を含んでいるので、分かりやすくするために敢えて内容を落とさず、医学用語も交えて具体的に記したいと思います。

大脳指向型(BOOT)咬合療法は、口腔領域(ごくおおざっぱに言えば口の中にある場所)にある外側翼突筋から、三叉神経中脳路核(Me5)への信号が過多になることで全身に強い痛みが発生することに着目し、その信号をブロックすることで、痛みの症状は回復するという臨床例にもとづいて行われています。また私は、この治療によって、劇的に回復しました。


この痛みを発生させるキーになると目される外側翼突筋は、口腔領域(口の中)にあり、上下の歯のかみ合わせによって、筋肉が緊張したり、あるいはゆるんだりします。
この歯のかみ合わせは、普通の歯科治療によって、微妙に変化します。
そして線維筋痛症患者の多くは、歯科治療がきっかけとなり、症状が非常に悪化したという経験を語っています。

私自身も、線維筋痛症を発症したあと、その三年後に歯科で行った健康診断をきっかけにして、それまでは症状の中になかったひどい目眩い、重量感、疲労感といった、交通事故の後遺症に匹敵するくらいの強い症状が出始めました。

線維筋痛症の発症、あるいは悪化に、歯科で行う治療が関係しているとすれば、線維筋痛症と同じグループに属する疾患の症状である肩こりや首の痛み、腰痛といった症状も、歯科治療がきっかけで発生する可能性があるということになります。

つまり、ごく普通に行われている歯科治療のなかに、線維筋痛症を発症したり、あるいはそれを悪化させたり、あるいは首の痛み、肩の痛み、腰痛や頭痛などが発生する危険が含まれる可能性があるということになります。

この点について、大脳指向型(BOOT)咬合療法を行っている医師は、以下のような見解を述べています。内容は相当専門的になりますが、医師が患者に対して行った臨床にもとづいて書かれているので、そのまま転載します。

「一般的には歯科的処置は、その影響が口腔内に限定されるという前提の元に構築されている。その全身的影響については考慮されることはなく歯科治療は行われているので、歯科治療の影響で、FM(線維筋痛症)MPS(筋筋膜痛症候群)などの、いまだ解明されていない疾患に罹患する危険性は否定できない。
歯科疾患の罹患率は非常に高く、歯科処置を受ける患者も非常に多い。そのような処置に内示するこの危険性は、人々の健康に重大な意味を持っている。その意味において、より詳しい研究が行われる必要があると考える。

私たちの研究結果が示唆するところによると、外側翼突筋からの信号入力は、線維筋痛症と筋筋膜痛症候群の症状発現に深く関与していると考えられる。外側翼突筋下顎の水平運動を行う筋である。
歯牙の形態を変化させる歯冠修復措置は、下顎の水平的位置を変化させるので、外側翼突筋に影響を与えて線維筋痛症と筋筋膜痛症候群の症状発現に関与するかもしれない。
歯冠修復措置非常に多くの人が受けているきわめてありふれた処理であるが、その中にこのような危険性が潜んでいる可能性があるので、この問題のさらなる研究は社会的に重要であることを指摘したい。」(論文よりの一部引用)

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