線維筋痛症は肩こりや腰痛と地続きの疾患



 1.線維筋痛症は肩こりや腰痛と地続きの疾患
     (患者さんへ、治療にあたる方へ)

1.線維筋痛症は肩こりや腰痛と地続きの疾患

非常に辛い痛みが起こる線維筋痛症ですが、じつは、この疾患は、ごくありふれた痛みである肩こりや腰痛などと、地続きの場所に位置する疾患でもあります。つまり線維筋痛症は、何万人に一人といった特殊な病であるというよりも、肩こりや首の痛み、腰痛などといった、多くの人が経験する痛みと同じメカニズムの中で、そのような痛みの反応が、極度に強く出た疾患であるとも言えます。これについてさらに詳しく書くと、次のようになります。まず、さきほどの、線維筋痛症の教科書のおさらいです。

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の教科書「線維筋痛症とそのほかの中枢性の疼痛症候群(Fibromyalgia & Other Central Pain Syndromes)」の中で、線維筋痛症が、過去に全世界で出された3700以上の論文を踏まえた結果、他にもある痛みを伴う疾患の中で、どのような位置づけで考えるべきかが図解されています。これを見ると、線維筋痛症は、中枢感作(ちゅうすうかんさ)、つまり脳の中枢が関わって痛みが起こる疾患グループの中の一つであることが判明しています。
同じグループの中には、顎関節症、筋筋膜痛症候群、慢性疲労性症候群、過敏性大腸炎、緊張性頭痛、偏頭痛、化学物質過敏症などが入っています。筋筋膜痛症候群には、肩こりや首の痛み、腰痛などの症状が含まれますし、同グループの中に、頑固な頭痛、偏頭痛なども含まれています。
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つまり、線維筋痛症が含まれるグループの中には、ごく普通の肩こりとか頭痛も含まれるということになります。もちろん、中枢感作が原因ではない肩こりや頭痛も存在するので、すべての肩こり、頭痛といった痛みが線維筋痛症と同じメカニズムで起こっているということではありません。しかし、線維筋痛症を引き起こすメカニズムである中枢感作は、同じように、ひどい肩こりや首の痛み、腰痛や頭痛などをも引き起こすということになります。

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